出店の区画割りとブース配置図の作り方【会場レイアウト】
出店者が決まったら、次に待っているのが「どこに誰を置くか」という区画割りです。公園や商店街の通り、駐車場など、会場の形はイベントごとに違い、テントの数、電源の位置、救護所や仮設トイレ、搬入車両の動きまで考えると、紙一枚の図面に収めるのは意外と大変です。
この記事では、町内会のお祭りや商店街イベント、マルシェの主催者に向けて、出店の区画割りとブース配置図(会場レイアウト図)の作り方を、会場の確認から出店者への共有まで順番に解説します。
区画割り・配置図づくりの全体の流れ
- 会場の条件を確認し、採寸する
- 動かせないもの(入口・電源・水道・トイレ・避難経路)を図に書き込む
- 通路と火気エリアを決める
- 区画のサイズと数を決める
- 出店者を区画に割り当てる
- 関係者(警察・消防・会場管理者)と調整する
- 出店者・スタッフに配置図を共有する
区画のサイズや数は、出店者募集の前に大枠を決めておく必要があります。募集要項に「区画サイズ:幅◯m×奥行◯m」と書くためです。募集の進め方は「出店者募集の方法と集め方」で解説しています。
ステップ1:会場の条件を確認して採寸する
まずは会場の管理者(公園なら自治体の担当課、商店街なら振興組合、施設ならその管理会社など)に、使用条件を確認します。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 使える範囲 | 芝生・舗装面・通路のどこまで使えるか、立入禁止の場所 |
| 地面の状態 | 芝生・土・アスファルト、ペグ(杭)を打てるか、傾斜や段差 |
| 電源 | 使える電源の位置と容量、発電機の使用可否 |
| 水道・排水 | 給水できる場所、排水してよい場所 |
| 車両 | 搬入車両の進入経路、駐車できる場所、進入できる時間 |
| 火気 | 火気の使用可否、使える場所、条件 |
| 原状回復 | 養生の要否、撤収の期限 |
図面が手に入る場合でも、一度は現地を歩いて採寸することをおすすめします。図面にない植え込み、マンホール、車止め、街灯、傾斜などが、テントの設置に影響することがよくあります。メジャーやレーザー距離計で主な寸法を測り、写真も撮っておくと、後で配置を考えるときに役立ちます。
ステップ2:動かせないものを先に書き込む
配置図は、出店ブースから描き始めるのではなく、動かせないものから描き込むのがコツです。
- 会場の外枠と出入口
- 電源・分電盤・水道・排水ポイント
- 常設のトイレ、植え込み、ベンチ、照明
- 消火栓や防火水槽、避難経路として確保すべき場所
- 搬入車両の進入経路
その上で、主催者が設置するものを配置していきます。
- 本部・案内所、救護所、AEDの位置
- 仮設トイレ、ゴミステーション、手洗い場
- ステージ、休憩スペース、飲食スペース
- 発電機(音や排気が出るため、休憩スペースや客席から離す)
救護所や本部は、来場者にも出店者にも見つけやすい場所に置き、緊急車両が近づける位置を選ぶと安心です。
ステップ3:通路・火気エリア・避難経路を決める
通路の考え方
通路は、来場者がすれ違えるか、混雑したときに滞留しないか、救急や消防が入れるかを考えて幅を決めます。特に、人気の飲食ブースの前は行列ができるため、行列ができる前提で余裕を持たせることが大切です。
通路幅や避難経路の基準は、会場や自治体、イベントの規模によって求められる内容が異なります。数値は自分たちだけで決めず、管轄の消防署や会場管理者に配置図を見せて確認するようにしましょう。
火気を使う出店者のエリア
コンロや鉄板、発電機など火気や熱を使う出店者は、エリアをまとめると管理しやすくなります。
- 火気エリアは、可燃物(のぼり、段ボール置き場、ゴミステーション)から離す
- 消火器の位置を配置図に書き込み、出店者とスタッフに共有する
- 避難経路や出入口をふさがない位置に置く
露店などで火気を使う場合の消火器の準備や、消防署への届出の要否は、地域の火災予防条例によって定められています。たとえば東京都内の基準は東京消防庁の案内で確認できますが、内容は地域によって異なるため、必ず開催地を管轄する消防署に確認してください。食品を扱う出店者の手続きは、管轄の保健所への確認が必要です(参考:厚生労働省 営業規制に関する情報)。
道路を使う場合
商店街の通りなど公道を会場にする場合は、道路使用許可が必要になることがあります。申請には会場の配置図の添付を求められるのが一般的です(例:警視庁 道路使用許可の案内)。必要な手続きと時期は「イベントの許可申請・届出まとめ」で整理しています。
ステップ4:区画のサイズと数を決める
区画サイズの決め方
区画のサイズは、出店者が使うテントの大きさを基準に考えるのが一般的です。テントはメーカーや製品によって寸法が異なるため、主催者がテントを貸し出す場合はその寸法を、出店者が持参する場合は「◯m×◯m以内」のように上限を示します。
区画には、テント本体だけでなく次のスペースも含めて考えます。
- テントの脚・重り(ウエイト)の分
- 出店者の作業スペース、在庫置き場
- お客さんが立ち止まる前面のスペース
- 隣の区画との間の余裕
区画の種類を分ける
すべての区画を同じサイズにする必要はありません。たとえば次のように種類を分けると、出店者の希望に応えやすくなります。
| 区画の種類 | 想定する出店者 | 配置で気をつけること |
|---|---|---|
| 標準区画 | 物販・ハンドメイド・飲食の多く | 通路に面して並べる |
| 小区画(ハーフ) | 少量販売、初出店、ワークショップ | 標準区画の間や端を活用 |
| 大区画 | 大きめのテント、複数店の共同出店 | 角地や広い場所に |
| キッチンカー区画 | キッチンカー | 進入経路・車両サイズ・地面の強度・電源 |
| 電源付き区画 | 電気を使う飲食など | 電源の位置と容量から逆算 |
区画の種類は、出店料の設定とも関係します。種類が多すぎると募集要項がわかりにくくなるため、3〜4種類程度に収めると扱いやすいでしょう。キッチンカーの区画は条件が特殊なので「キッチンカーをイベントに募集する方法」も参考にしてください。
区画数は余裕を持って
図面上で並べられる最大数を、そのまま募集数にしないのがポイントです。設営してみると「思ったより狭い」「通路が詰まる」ということがよくあります。本部・休憩スペース・予備区画の分を残しておくと、当日の調整や急な追加にも対応できます。
ステップ5:出店者を区画に割り当てる
区画の枠ができたら、出店者を割り当てます。次のような観点で配置を考えると、来場者にとっても出店者にとっても回遊しやすい会場になります。
| 観点 | 配置のコツ |
|---|---|
| ジャンルのバランス | 同じジャンル(例:焼き菓子)を隣同士にしない。飲食と物販を交互にする |
| 動線 | 人気の出店者を奥にも置き、入口付近だけに人が集中しないようにする |
| 匂い・煙 | 煙や匂いの出る飲食は、雑貨や衣類の物販から離す。風向きも考慮 |
| 音 | ワークショップや音の出る出店はステージや休憩スペースとの関係を考える |
| 設備 | 電源・水道が必要な出店者を、設備の近くに |
| 搬入 | 重い荷物や車両が必要な出店者を、搬入しやすい位置に |
| 継続出店者 | 前回と同じ場所を希望する声もあるため、記録を残しておく |
人通りが多い場所とそうでない場所の差は、どうしても生まれます。不公平感を減らすために、配置の考え方(ジャンルのバランスを優先する、など)を募集要項に書いておく、毎回同じ出店者が不利な場所にならないよう記録しておく、といった工夫が有効です。区画の位置で出店料に差をつけるかどうかも、事前に決めておきましょう。
出店者の情報と区画番号は、出店者一覧で一緒に管理しておくと、問い合わせや当日の案内がスムーズです。管理項目の設計は「出店者管理の方法」で解説しています。
ステップ6:関係者と調整する
配置図の案ができたら、次の関係者に確認してもらいます。
- 会場管理者:使用範囲、車両の進入、原状回復
- 消防署:火気エリア、消火器の配置、避難経路
- 警察署:道路を使う場合の配置、交通誘導
- 保健所:食品を扱う出店者の配置や設備(手洗い・給水など)
- 近隣:音や煙、搬入車両の影響
指摘を受けて配置を変えることもあるため、出店者への最終案内を送る前に調整を終えておくのが理想です。
ステップ7:配置図を共有する
配置図は、相手によって見せる内容を変えると伝わりやすくなります。
| 相手 | 必要な情報 |
|---|---|
| 出店者 | 自分の区画番号と位置、搬入経路と時間、電源・水道、トイレ・ゴミステーション、本部 |
| スタッフ | 全区画と出店者名、本部・救護所・AED・消火器、持ち場、無線や連絡先 |
| 来場者 | 出店者の位置とジャンル、トイレ、休憩スペース、救護所 |
| 警察・消防・会場 | 全体のレイアウト、寸法、火気・避難経路、車両の動き |
出店者への案内では、配置図とあわせて搬入の順番と時間帯を伝えると、当日の混乱が大きく減ります。来場者向けの会場マップは、公式ページに載せておくと便利です(参考:「イベント公式サイト・告知ページの作り方」)。
当日は、配置図と出店者一覧を印刷して本部に置いておくと、通信が不安定なときにも対応できます。
よくある失敗と対策
- 区画の番号と配置図の番号がずれる — 区画番号は配置図と出店者一覧で同じものを使い、変更したら両方を同時に直す
- テントが区画からはみ出す — 出店者に「テントの外寸」で申告してもらい、区画サイズと照合する
- 電源の容量が足りない — 出店者に使用する機器と消費電力を申告してもらい、電源ごとに合計を確認する
- 搬入車両が通路で渋滞する — エリアごとに搬入時間をずらし、車両の待機場所を決める
- 配置図の版が複数出回る — 最新版の置き場所を一つに決め、古い版を配らない
区画割り・配置図づくりのチェックリスト
- 会場の使用条件(範囲・地面・電源・水道・車両・火気)を確認した
- 現地を採寸し、図面にない障害物を書き込んだ
- 出入口・避難経路・消火器・救護所・AEDの位置を決めた
- 火気エリアを可燃物や避難経路から離した
- 区画の種類・サイズ・数を決め、予備区画を残した
- ジャンル・匂い・音・設備・搬入を考えて出店者を割り当てた
- 消防・警察・会場管理者・保健所に必要な確認をした
- 出店者に区画番号・搬入経路・時間を案内した
- スタッフ用・来場者用の配置図を用意した
- 当日用に印刷した配置図と出店者一覧を本部に置いた
お祭り全体の準備項目は「お祭り運営の準備チェックリスト」でまとめています。
イベイロの会場マップで配置図を作る
紙やExcelで配置図を作ると、出店者の変更があるたびに図と一覧の両方を直す必要があり、どちらかが古いまま残りがちです。イベイロの会場マップでは、手持ちの図面を下絵として取り込み、ブース・テント・ステージ・救護所・AED・仮設トイレ・発電機・通路や緊急ルートなどをドラッグで配置して会場図を作れます。
区画への出店者の割り当ては出店者一覧と自動で同期されるため、「一覧では変えたのに図は古いまま」ということが起きません。完成した配置図は閲覧専用の共有リンクで実行委員や出店者に共有でき、画像やPDFでの書き出し、設備の数量の集計(CSV)、提出書類の作成にも対応しています。応募の受付から区画の割り当てまでの流れは出店者管理のページで紹介しています。現在は先行公開中のため、すべての機能を無料でお使いいただけます。次のイベントの配置図づくりから、無料で始めてみてください。
よくある質問
Q. 区画のサイズはどれくらいにすればよいですか?
一律の決まりはありません。出店者が使うテントの外寸を基準に、重りや作業スペース、お客さんが立ち止まるスペースを加えて決めます。会場の通路幅との兼ね合いもあるため、配置図の上で並べてから最終的に決めるのがおすすめです。
Q. 通路幅は何メートル必要ですか?
求められる幅は、会場の条件や来場者数、自治体の基準などによって異なります。混雑する場所や行列ができる場所は広めにとり、最終的には管轄の消防署や会場管理者に配置図を見せて確認してください。
Q. 人気のある場所を出店者にどう割り振れば公平ですか?
ジャンルのバランスを優先する、継続出店者と新規出店者を交互に配置する、前回の配置を記録して偏らないようにする、などの方法があります。区画の位置で出店料に差をつける場合は、募集要項に明記しておきましょう。応募が多く区画の希望が重なる場合は、抽選で決める方法もあります(「出店者の抽選方法」)。
Q. 出店者の区画はいつ知らせればよいですか?
配置図を関係者と調整し終えてから、開催前の最終案内とあわせて知らせるのが一般的です。早く知らせすぎると変更のたびに再連絡が必要になるため、変更の可能性がある場合は「仮」であることを明記しておきましょう。
Q. キャンセルで区画が空いたらどうすればよいですか?
補欠の出店者に繰り上げで連絡するか、周囲の区画を少し広げる、休憩スペースにするなどで調整します。キャンセル時の出店料の扱いは「出店キャンセル規定とキャンセル料の決め方」を参考に、事前に決めておきましょう。