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ノウハウイベイロ編集部

出店キャンセル規定とキャンセル料の決め方【文例付き】

「開催1週間前にキャンセルの連絡が来たけれど、出店料は返すべき?」「雨で中止にしたら、出店者から全額返金を求められた」。出店者募集をしていると、キャンセルをめぐる悩みは必ず出てきます。困るのは、キャンセルそのものよりもルールを決めていなかったために、その場で判断しなければならないことです。

この記事では、町内会のお祭り、商店街のイベント、マルシェなどの主催者に向けて、出店キャンセル規定(キャンセルポリシー)の考え方と、キャンセル料の決め方、募集要項にそのまま使える文例を紹介します。金額の「相場」ではなく、自分たちのイベントで根拠を説明できるルールを作ることを目指します。

なぜキャンセル規定が必要なのか

キャンセル規定がないと、次のようなことが起きやすくなります。

  • 出店者ごとに対応がばらばらになり、「あの店は返金されたのに」と不公平感が生まれる
  • 直前のキャンセルで空き区画ができ、会場の見た目や動線に穴があく
  • テントや電源、備品をすでに手配した後で、費用だけが主催者に残る
  • 雨天中止のときに、返金するかどうかを実行委員会で揉める

逆に、応募の前にルールが示されていれば、出店者は納得したうえで申し込めます。主催者も「規定のとおりです」と落ち着いて対応できます。キャンセル規定は、出店者を縛るためのものではなく、お互いが同じ前提で動くための約束です。

出店者に守ってもらうルール全体の作り方は「出店規約の作り方」で解説しています。キャンセル規定は、その中でも特にトラブルになりやすい一項目です。

まず決めるべき4つの場面

キャンセルと一口に言っても、誰の都合で、どのタイミングで起きるかによって扱いが変わります。最低限、次の4つの場面を分けて決めておきましょう。

場面 例 決めておくこと
出店者都合のキャンセル 体調不良、仕入れができない、他イベントと重なった 時期ごとの返金の割合、連絡方法
無断欠席(ノーショー) 連絡なしに当日来なかった 返金しないこと、次回以降の扱い
天候・災害などによる中止 台風、大雨、警報の発令 返金・一部返金・振替のどれにするか
主催者都合の中止・変更 会場が使えなくなった、規模の縮小 原則全額返金とするか、区画変更時の扱い

このほか、出店者側の規約違反による出店取り消し(申告と違う商品を販売した、必要な許可が確認できなかった など)の扱いも、出店規約の側で決めておくと安心です。

キャンセル料を決める考え方

「何にお金がかかっているか」から逆算する

キャンセル料は、罰金ではなくキャンセルによって主催者に生じる負担の埋め合わせと考えると、説明がしやすくなります。出店料が何に使われ、いつその費用が確定するのかを書き出してみましょう。

費用の例 確定する時期の例 キャンセルされたときの影響
会場の使用料 会場予約時 区画数に関係なく発生することが多い
テント・机・椅子のレンタル レンタル会社への発注時 発注後は減らせない場合がある
電源(発電機・電気工事) 業者への発注時 容量を決めた後は変更しにくい
チラシ・ポスター・公式ページ 入稿・公開時 出店者名を載せた後の差し替えは手間がかかる
区画の割当・会場図 区画割り確定時 空き区画の調整や再配置が必要になる
補欠への繰り上げ連絡 キャンセルの連絡を受けた時 時期が遅いほど代わりが見つかりにくい

この表を見ると、開催が近づくほど主催者の費用が確定していき、代わりの出店者も見つけにくくなることがわかります。これが「時期によって返金の割合を変える」根拠になります。

段階を区切る目安を決める

段階は、自分たちのイベントの準備スケジュールに合わせて区切ります。たとえば次のような区切り方が考えられます。

  • 出店確定〜備品の発注前:主催者の費用がまだ確定していない時期
  • 備品の発注後〜告知物の確定前:一部の費用が確定している時期
  • 告知物の確定後〜開催直前:ほぼすべての費用が確定し、補欠の繰り上げも難しい時期
  • 開催当日・無断欠席:代わりを手配する余地がない

「何日前」という数字は、レンタルの発注期限や印刷の入稿日など、実際の準備の締切から逆算して決めると根拠を説明できます。他のイベントの数字をそのまま真似するより、自分たちの準備スケジュールに沿って決めるほうが納得感が出ます。準備スケジュールの組み方は「イベント開催方法の全手順」も参考にしてください。

段階の例(考え方のサンプル)

以下はあくまで考え方の例です。割合や日数は、イベントの規模や費用の構造に合わせて決めてください。

キャンセルの連絡日 返金の扱い(例) 考え方
出店確定から◯月◯日まで 全額返金(振込手数料を除く) 主催者の費用がまだ確定していない
◯月◯日〜開催◯日前 出店料の◯割を返金 備品の発注など一部の費用が確定
開催◯日前以降 返金なし 費用が確定し、代わりの手配が難しい
無断欠席 返金なし・次回以降の出店をお断りする場合あり 当日の区画が空き、運営に影響する

段階を細かくしすぎると、出店者にも運営側にもわかりにくくなります。2〜3段階に収めるくらいが扱いやすいでしょう。

「返金しない」だけでなく「振替」という選択肢も

出店者都合のキャンセルでも、次回開催への振替を認めるという方法があります。主催者の収入は確保しつつ、出店者の負担感も小さくできます。ただし、振替の有効期限(「次回開催分に限る」など)と、次回が開催されなかった場合の扱いも一緒に決めておきましょう。

キャンセル料に関する法律の考え方

消費者向けの契約では、消費者契約法第9条により、契約の解除に伴う損害賠償の予定や違約金のうち、同じ種類の契約で事業者に生じる「平均的な損害」を超える部分は無効とされています(消費者庁の逐条解説より)。

一方、出店者の多くは、事業として商品を販売する個人事業主やお店です。消費者契約法は「消費者」と「事業者」の間の契約を対象としているため、事業として出店する出店者との契約には直接は適用されないケースが多いと考えられます。ただし、出店者の属性(趣味の延長で出店する個人など)や契約の内容によって判断が分かれる可能性もあります。

いずれにしても、実際の費用とかけ離れた高額なキャンセル料は、出店者の不信感を招き、トラブルの原因になります。実際にかかる費用に見合った金額にし、根拠を説明できるようにしておくことが大切です。判断に迷う場合は、弁護士や地域の商工会議所など専門家に相談してください。

雨天・荒天による中止の扱い

屋外イベントで最も揉めやすいのが、天候による中止です。主催者にも出店者にも責任がないため、「どちらが費用を負担するか」を事前に決めておく必要があります。

選択肢と特徴

方針 出店者にとって 主催者にとって
全額返金 安心して申し込める すでに支出した費用を回収できない
一部返金(実費を差し引く) 一定の負担はあるが納得しやすい 実費の計算と説明が必要
次回への振替 出店機会が残る 次回の区画を確保する必要がある
返金なし 負担感が大きく、応募をためらう要因になる 収入は確保できるが、関係が悪化しやすい

どれが正解ということはありません。大切なのは募集要項に明記しておくことと、判断の時刻と連絡方法もセットで決めておくことです。「前日◯時に開催可否を判断し、メールで連絡します」と書いておけば、出店者も仕入れや仕込みの判断がしやすくなります。

雨天時の判断基準や当日の連絡の流れは「屋外イベントの雨天・荒天時の対応」で詳しく解説しています。

「一部中止」「縮小」の扱いも決めておく

「午前は実施して午後から中止」「飲食エリアだけ実施」のように、全面中止ではない判断をすることもあります。この場合の出店料の扱い(返金なし、時間に応じて一部返金など)も、一文でよいので決めておくと当日慌てません。

主催者都合の中止・変更

会場が使えなくなった、運営体制が整わなかったなど、主催者側の事情で中止する場合は、原則として全額返金とするのが一般的な考え方です。出店者はすでに仕入れや仕込みを始めている場合もあるため、中止の判断はできるだけ早く伝えましょう。

区画の位置やサイズを主催者の都合で変更する場合も、事前に連絡し、出店者が辞退を希望したときの扱い(全額返金など)を決めておくと誠実です。区画割りの決め方は「出店の区画割りとブース配置図の作り方」で解説しています。

返金の実務で決めておくこと

ルールを決めたら、実際に返金するときの手順も決めておきましょう。

  • キャンセルの受付方法:メールやフォームなど、記録が残る方法に限定する(電話だけだと日付の証明が難しい)
  • キャンセル日の基準:「主催者がメールを受信した日」など、どの時点を基準にするか
  • 返金の方法と時期:振込なら「開催後◯週間以内」など
  • 振込手数料の負担:出店者都合なら出店者負担、主催者都合なら主催者負担、などを明記
  • 返金の記録:誰に、いつ、いくら返金したかを出店者一覧に残す

出店料の受け取り方そのものについては「出店料の集金方法」で、振込・現金・オンライン決済の比較とあわせて整理しています。集金のタイミングを「出店確定後・開催前」にしておくと、キャンセル規定も運用しやすくなります。

空いた区画を埋める:補欠とキャンセル待ち

キャンセル規定とセットで考えたいのが、空いた区画の埋め方です。

  1. 選考の段階で、補欠として待機してもらえる出店者を決めておく
  2. 補欠の順番を記録しておく(抽選で決めた場合は抽選の結果順など)
  3. キャンセルが出たら、順番に連絡し、返事の期限を決めて確認する
  4. 繰り上げが決まったら、区画と案内を更新する

応募が多いイベントでは、抽選で当選・補欠を決めておくと繰り上げの順番に迷いません。抽選の手順は「出店者の抽選方法」、審査で選ぶ場合の基準と連絡の例文は「出店者の審査基準と選考方法」を参考にしてください。

募集要項・出店規約に載せる文例

以下は、募集要項や出店規約にそのまま使えるキャンセル規定のひな形です。◯の部分は自分たちのイベントに合わせて書き換えてください。

■ キャンセルについて

  1. 出店確定後に出店者のご都合でキャンセルされる場合は、必ずメール(◯◯@◯◯)でご連絡ください。主催者がメールを受信した日をキャンセル日とします。\
  2. キャンセル日に応じて、出店料を次のとおり返金します。
     ・◯月◯日まで:全額(振込手数料を差し引いてご返金します)
     ・◯月◯日〜◯月◯日:出店料の◯割
     ・◯月◯日以降:返金はいたしません\
  3. ご連絡なく当日出店されなかった場合、出店料は返金いたしません。また、次回以降の出店をお断りする場合があります。\
  4. 返金は開催日から◯週間以内に、ご指定の口座へお振込みします。

■ 雨天・荒天時の扱い

  1. 開催の可否は前日◯時に判断し、出店確定の皆さまへメールでお知らせします。公式ページにも掲載します。\
  2. 天候・災害等により主催者が中止を決定した場合、出店料は(全額返金/◯◯円を差し引いて返金/次回開催分に振替)とします。\
  3. 開催中に天候が悪化し途中で中止する場合、出店料の返金はいたしません。\
  4. 小雨の場合は決行します。テントの重り・商品の雨対策のご準備をお願いします。

■ 主催者都合による中止・変更

主催者の都合により開催を中止する場合は、出店料を全額返金します(振込手数料は主催者が負担します)。区画の位置・サイズを変更する場合は事前にご連絡し、ご辞退の場合は全額返金します。

規約全体のひな形が必要な場合は、出店規約テンプレートも活用してください。

運用でトラブルを防ぐチェックリスト

規定を作っただけでは不十分です。次の点も確認しておきましょう。

  • キャンセル規定を応募前に読める場所(募集要項・応募フォーム)に載せている
  • 応募フォームで「キャンセル規定に同意する」のチェックをもらっている
  • 出店確定の連絡にも、キャンセル規定と期限の日付を再掲している
  • キャンセルの連絡先と受付方法が1つに決まっている
  • 雨天時の判断時刻・連絡方法・出店料の扱いがそろって書かれている
  • 補欠の順番と繰り上げの連絡方法が決まっている
  • 返金の記録を残す場所(出店者一覧など)が決まっている
  • 例外対応(病気や災害など)を誰が判断するか決まっている

例外対応は、規定どおりにしないことで不公平感が生まれることもあります。どうしても例外を認める場合は、判断した理由を記録し、実行委員会の中で共有しておくとよいでしょう。

イベイロでキャンセルと連絡を管理する

キャンセル規定は、決めることと同じくらい「伝えること」「記録すること」が大切です。イベイロの出店者募集では、募集ページにキャンセル規定や雨天時の扱いを載せて応募を受け付けられます。出店者は応募一覧で「出店確定」「不承認」などのステータスで管理でき、キャンセルが出たときの補欠の繰り上げもステータスで追えます。

開催当日の朝に雨天の判断を出すと、出店確定の出店者へ一斉にメールで知らせ、公開イベントページにも表示できます。出店確定の出店者には、開催の数日前と前日に当日の案内を自動で送るリマインドも設定できます。現在は先行公開中のため、すべての機能を無料でお使いいただけます(料金)。出店者とのやり取りをまとめて管理したい方は、出店者管理の機能もご覧のうえ、無料で始めてみてください。

よくある質問

Q. キャンセル料の相場はどのくらいですか?

キャンセル料の割合や時期の区切り方は、イベントの規模や費用の構造によって異なり、一律の相場はありません。会場費やレンタル費がいつ確定するかを書き出し、準備の締切から逆算して決めるのがおすすめです。

Q. キャンセル規定を後から追加・変更してもよいですか?

応募後に出店者に不利な方向へ変更すると、トラブルの原因になります。変更が必要な場合は、全出店者に理由とともに知らせ、変更前に確定した出店者には変更前の規定を適用するなどの配慮をしましょう。次回の募集からは、最初から募集要項に載せておくのが確実です。

Q. 体調不良など、やむを得ない理由のキャンセルにも規定どおり対応すべきですか?

規定どおりに対応するのが公平ですが、次回への振替を認めるなどの配慮をする主催者もいます。例外を認める場合は、基準と判断者を決め、記録を残しておきましょう。

Q. 出店料をまだ受け取っていない出店者がキャンセルした場合は?

規定上キャンセル料が発生する時期であれば、請求することになります。ただ、事後の請求は回収が難しいことが多いため、出店確定後・開催前に出店料を受け取っておく運用にすると、規定を適用しやすくなります。

Q. 雨で中止にした場合、必ず返金しなければいけませんか?

扱いはイベントごとに決めるものです。全額返金・一部返金・振替・返金なしのどれにするかを事前に決め、募集要項に明記しておくことがトラブル防止につながります。迷う場合は、すでに支出した実費を説明したうえで一部返金とする方法もあります。

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