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出店者向けイベイロ編集部

飲食で出店するのに必要な資格【食品衛生責任者の取り方とイベント出店の注意点】

「イベントで焼きそばを売りたいけれど、調理師免許は必要?」「食品衛生責任者って何?どうやって取るの?」。飲食で出店しようと考えたとき、多くの方が最初に気にするのが資格のことです。

結論から言うと、イベントに飲食で出店する場合に一般的に求められるのは、調理師免許ではなく「食品衛生責任者」です。食品を扱う施設ごとに食品衛生責任者を置くことが求められ、資格がない人でも、養成講習会を受講すれば取得できます。ただし、資格を持っているだけでは出店できず、別に保健所の営業許可や届出が必要です。

この記事では、食品衛生責任者を中心に、飲食出店に必要な資格と手続きの関係を整理します。

この記事は、自治体などが公開している情報をもとに、2026年10月時点の一般的な考え方をまとめたものです。具体的な要件や手続きは、出店する地域を管轄する保健所に必ず確認してください。

飲食出店に必要な「資格」と「手続き」の全体像

まず、混同しやすい「資格」と「手続き」を分けて整理しましょう。

項目 何か イベント出店で必要か
食品衛生責任者 施設ごとに置く、衛生管理の責任者。講習会の受講などでなれる 一般的に必要。営業許可の申請時に資格の確認を求められることが多い
営業許可・届出 保健所に申請・届出して、その場所で営業してよいという手続き 多くの場合必要。自治体ごとにルールが異なる
調理師免許 調理の専門資格。持っていれば食品衛生責任者になれる 出店のために必須ではない
酒類の販売に関する手続き お酒を販売する場合に必要になることがある お酒を売る場合は税務署に相談

つまり、飲食で出店するには、「人」の要件として食品衛生責任者を置き、「営業」の要件として営業許可や届出をする、という2段構えになっていると考えるとわかりやすいでしょう。営業許可の取り方は「イベント出店の営業許可(臨時営業許可)の取り方」で詳しく解説しています。

食品衛生責任者とは

食品衛生責任者は、食品を扱う施設で衛生的な管理運営を行うために置く責任者です。東京都大田区の案内では、公衆衛生に与える影響が少ない施設などを除き、施設ごとに食品衛生責任者を設置しなければならないとされています(大田区:食品衛生責任者)。杉並区も、食品を取り扱うお店や施設には1名以上の食品衛生責任者を置かなければならないと案内しています(杉並区:食品衛生責任者資格)。

イベントの臨時出店でも、施設(テント・キッチンカーなど)ごとに食品衛生責任者を置くことを許可の要件にしている自治体があります。たとえば三重県は、露店・臨時営業の許可の要件として施設ごとの食品衛生責任者の設置を挙げ、申請時に資格の証明(写し可)を求めています(三重県:イベントで飲食物を提供したい)。北九州市も、臨時営業の申請書類に食品衛生責任者の資格証明書を挙げています(北九州市:臨時・仮設営業許可申請の手続き)。

食品衛生責任者の主な役割

  • 施設の衛生管理を行い、従事者に衛生的な取り扱いを徹底する
  • 衛生管理の計画や記録(HACCPに沿った衛生管理)を中心になって進める
  • 衛生上の問題があれば、営業者に改善を求める
  • 定期的に講習会などで知識を新しくする

イベント出店では、出店者自身(多くの場合は代表者)が食品衛生責任者を兼ねるケースが一般的です。責任者を変更した場合は届出が必要になることがあるため(杉並区の案内など)、担当者が変わるときも保健所の案内を確認しましょう。

食品衛生責任者になれる人

自治体の案内によると、次のいずれかに当てはまる人が食品衛生責任者になれます(大田区・杉並区の案内より要約)。

区分 例
一定の資格・免許を持つ人 調理師、製菓衛生師、栄養士(管理栄養士)、船舶料理士、と畜場の衛生管理責任者・作業衛生責任者、食鳥処理衛生管理者 など
食品衛生管理者・食品衛生監視員になれる資格を持つ人 食品衛生管理者、食品衛生監視員の資格要件を満たす人
養成講習会の修了者 都道府県知事などが行う、または適正と認める食品衛生責任者養成講習会を修了した人

つまり、調理師や栄養士などの資格を持っていれば、あらためて講習を受けなくても食品衛生責任者になれます。こうした資格がない人は、養成講習会を受講して資格を取得します。

食品衛生責任者の取り方(養成講習会)

講習会を実施しているところ

養成講習会は、都道府県知事などが行うもの、または知事などが適正と認めるものを受講します。多くの地域では、各都道府県の食品衛生協会が実施しています。東京都では、都知事の指定を受けた一般社団法人東京都食品衛生協会が毎月数回実施しています(杉並区の案内より)。

受講の形式

従来の会場に集まる講習に加えて、オンラインで受講できる講習を設けている地域もあります。東京都では、2022年4月から「e-ラーニング型」の養成講習会が加わり、パソコン、タブレット、スマートフォンなどから申し込み・受講できるようになっています(大田区・杉並区の案内より)。

取得までの流れ

  1. 住んでいる地域・出店予定の地域の食品衛生協会や保健所のサイトで、講習会の日程を確認する
  2. 申し込む — 会場型は定員があり、早めに埋まることもあるため、出店予定から逆算して早めに
  3. 受講する — 一般的に1日程度のカリキュラムで、衛生法規、公衆衛生、食品衛生などを学ぶ
  4. 修了証(手帳・修了証書など)を受け取る — 営業許可の申請時に写しを求められることが多いので、大切に保管する

受講料、講習の時間、持ち物、修了証の形式は実施団体によって異なるため、申し込み先の案内で確認してください。

いつまでに取るべきか

営業許可の申請時に資格の証明を求められることが多いため、出店の申し込みをする前、遅くとも営業許可の申請前には取得しておくのが安心です。講習会の日程によっては1か月以上先になることもあるので、飲食で出店したいと思ったら最初に動いておきたい手続きです。

よくある勘違い

「調理師免許がないと飲食で出店できない」

イベント出店のために調理師免許が必須というわけではありません。調理師免許を持っていれば食品衛生責任者になれる、という関係です。

「食品衛生責任者を持っていれば、どこでも出店できる」

食品衛生責任者は「人」の要件で、営業そのものの許可ではありません。出店のたびに、会場を管轄する保健所の営業許可や届出が必要になることが一般的です。また、取得した地域以外で出店する場合の扱いも含め、出店地域の保健所の案内を確認しておきましょう。

「一人いれば、テントが2つでも大丈夫」

食品衛生責任者は施設ごとに置くのが原則です。1つの出店者が複数のテントを出す場合の扱い(何件の許可・何人の責任者が必要か)は自治体によって異なります。三重県のように、同じ営業者で隣接するテント3つまで1件の許可として申請できるとしている例もあります。必ず保健所に確認しましょう。

「手作りのお菓子なら、資格があれば売れる」

食品衛生責任者の資格があっても、自宅の台所で作ったお菓子やパン、ジャムなどを販売できるわけではありません。食品を製造して販売するには、製造する施設について営業許可が必要になるのが一般的で、家庭用の台所とは区切られた設備が求められます。手作りの食品を売りたい場合は、製造場所も含めて保健所に相談しましょう。

そのほかに確認したい資格・手続き

内容 確認すること
お酒を販売する 酒類の販売には免許などが関係する。イベントで販売する場合は、事前に税務署に相談する
ガス・炭など火を使う 消防署への届出や消火器の設置が必要になることがある。会場のルールも確認
キッチンカー 車両としての営業許可。許可を受けた地域以外で営業する場合は追加の手続きが必要な場合がある(「キッチンカーの出店場所の見つけ方」)
包装された食品の販売 品目や保存方法によっては届出などが必要な場合がある
HACCPに沿った衛生管理 衛生管理計画の作成と、営業日の記録を求める自治体がある

当日の衛生管理チェックリスト

食品衛生責任者として出店する当日は、次のような衛生管理を実践します。具体的な基準は自治体や扱う食品によって異なるため、保健所の指導や案内に従ってください。

  • 調理・提供の前、トイレの後、ゴミやお金を触った後に手を洗う・消毒する
  • 体調の悪い人(下痢・発熱・手の傷など)は食品を扱わない
  • 帽子・マスク・清潔なエプロンを着用する
  • 食材はクーラーボックスなどで温度を管理し、必要に応じて温度を記録する
  • 加熱する食品は中心まで十分に火を通す
  • 作り置きを長時間放置しない
  • お金を扱う人と食品を扱う人を分ける(難しい場合は手袋や消毒で対応)
  • 調理器具・作業台を清潔に保つ
  • 衛生管理計画にもとづき、営業日の記録をつける

HACCPに沿った衛生管理では、こうした「やることを決めて、実施したことを記録する」が基本になります。小規模な営業者などは、厚生労働省が公表している手引書を参考に、簡略化した方法で取り組めるとされています(厚生労働省:食品衛生法の改正について)。

家族や仲間と出店する場合

食品衛生責任者は施設ごとに置くのが原則で、手伝ってくれる人全員が資格を持っている必要があるとは限りません。ただし、手伝う人にも手洗い・体調管理などの衛生ルールを事前に共有しておくことが大切です。食品衛生責任者が不在になる時間をつくらないよう、休憩の取り方も考えておきましょう。具体的な扱いは保健所に確認してください。

飲食出店までのスケジュール例

初めて飲食で出店する場合の、準備の目安です。講習会の日程や保健所の申請期限によって前後します。

時期 やること
出店を考え始めたら 食品衛生責任者の講習会を調べて申し込む
2〜3か月前 出店先を探し、メニュー案が出店地域で扱えるか保健所に相談
応募・出店確定 主催者に保健所の手続きの分担(主催者がまとめるか)を確認
申請期限まで 営業許可の申請または届出、手数料の納付
1〜2週間前 設備・備品の準備、衛生管理計画、仕込み計画
当日 許可証などの掲示、手洗い・温度管理の徹底、記録

準備物は「イベント出店の持ち物チェックリスト」でも確認できます。食中毒などの万一に備えて、保険の検討もしておきましょう(「出店者の保険」)。

よくある質問

講習会はどこで受けても同じですか?

養成講習会は、都道府県知事などが行う、または適正と認めるものを受講します。多くの人は、住んでいる地域や出店予定の地域の食品衛生協会などが実施する講習会を受けています。取得した地域以外での出店を考えている場合は、その地域の保健所で扱いを確認しておくと安心です。

資格を取るのにどれくらい時間がかかりますか?

養成講習会は一般的に1日程度のカリキュラムですが、会場型は開催日が限られ、定員で締め切られることもあります。申し込みから受講までの期間も考えて、出店の予定が決まる前から日程を確認しておくと安心です。

修了証をなくしてしまいました

営業許可の申請時に資格の証明を求められることが多いため、再発行の方法を講習会の実施団体に確認しましょう。普段から写真やコピーを取って保管しておくと、申請時にも慌てずに済みます。

キッチンカーでも食品衛生責任者は必要ですか?

キッチンカーも食品を扱う施設として営業許可を受けるのが一般的で、食品衛生責任者を置くことが求められます。詳しくは、車両の営業許可を受ける地域の保健所に確認してください。

まとめ

イベントに飲食で出店するために一般的に求められる資格は食品衛生責任者で、調理師などの資格がない人でも養成講習会で取得できます。ただし、資格は出店の前提条件の一つにすぎず、会場を管轄する保健所の営業許可や届出が別に必要です。講習会の日程は早めに確認し、メニューや設備も含めて保健所に相談しながら準備を進めましょう。出店全体の流れは「イベント出店の始め方」、出店者向けの基本は出店者ガイドにもまとめています。

参考にした公的情報


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